子宮頸がん予防ワクチンQ&A

17.
細胞診とHPV検査の併用検診によって、子宮頸がんはほぼ100%見つかると聞いています。子宮頸がん予防ワクチンは必要なのでしょうか。

 現在の子宮頸がんの検診方法である「細胞診」は対策型検診に取り入れられて50年経ちましたが、有効な方法です。公費で行なわれていますが、残念ながら現在の検診受診率は25%程度です。したがって、まずは受診率を上げることが必要です。受診率向上に向けて努力はしているものの、受診率はなかなか上がりません。子宮頸がん征圧をめざす専門家会議では、検診受診率を50%以上、できれば80%以上にすることを目標の一つとしています。
 細胞診の前がん病変を診断する感度は約70~80%です。一方、新しい検診方法であるHPV検査を細胞診に併用することで、感度は95%以上(ほぼ100%)になります。検診受診率が非常に高くなれば、従来の細胞診にHPV検査を併用した検診を実施すると、ほとんど見落とし・見逃しがなくなります。ただし、検診で早期発見が可能になりますが、その後の治療介入が必要になる場合もあります。検診受診率が低いこと、また子宮を温存する意味からも、ワクチンは必要です。
 検診受診率が低い日本では、特にワクチンは子宮頸がん予防に大きな力を発揮します。当会議は、検診とワクチンの両方を上手に使うのが大切なことだと考えています。

一覧へもどる