49歳を上限とすると、50歳以上で感染していない方々が風疹、麻疹に罹患する可能性があります。まだ、麻疹風疹ワクチンの2回接種が行われていなかったからです。実際に、2013年21週までの50歳以上の風疹患者の割合は、男性8%、女性12%となっています(国立感染症情報センターのデータより)。
大人が風疹にかかると、発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことがよくみられます。一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。また、脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの軽視できない合併症をまれにおこすことがあります。また、麻疹が重症化する可能性もあります。風疹髄膜炎で死亡した症例、55歳で麻疹で死亡した症例も知られています。
予算的に可能であれば、未感染者には全員MRワクチンの接種を検討することが正しいと思われます。しかし、限りある予算との兼ね合いがあり、現段階で感染者が多い49歳までを上限とするという考え方もありえます。たとえ49歳を上限としたとしても、市が全額補助するということは画期的なことだと考えます。先天性風疹症候群の発生をこれ以上増やしてはいけないという地方自治体の担当者の方の尊いお気持ちに感激しました。