国の補正予算でHPVワクチン接種が平成22年度から行われる見通しがついてきた。しかし現在、厚生労働省は接種に対する公費助成の対象を「中学1年生から高校1年生まで」とする方針を示し、小学6年生を対象としている自治体(当会調査では助成事業のある自治体の33.8%)に対しては助成が行われない可能性が示唆されている。
そこで当会は、日本婦人科腫瘍学会と日本産婦人科医会とともに、厚生労働大臣、副大臣、健康局総務課がん対策推進室 、健康局結核感染症課に以下の3点の要望書を提出した。
【1.】 専門家の視点から、HPVワクチンの公費助成による接種は11-14歳が最も推奨すべき年齢だと提言している。すなわち、小学6年生を公費負担の助成に加えるべきである(高校生の接種を排除するものではありません)。 【2.】基本的な考え方としては、医学的根拠に基づき「小学6年生または中学1年生への接種を継続的な事業とする。ただし、今後、3年間はその上の学年に対するキャッチアップ対策として、高校1年生まで接種年齢を拡大する。」という公費負担の方針とすべきである。 【3.】接種に関しての所得制限を設けない。また、自治体間格差を生じないように配慮し、さらに今年度すでに接種された費用に関しても遡って助成されるべきである。 |
要望に先立ち緊急記者会見を行い、当会の今野良実行委員長は「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議や関連する学術団体では、11~14歳が最も公費助成による接種をすべき年齢だとの見解で一致している」と小学6年生の公費助成の必要性を強調し、「現在、小6の子宮頸がん予防ワクチン接種に助成を行っている自治体を助けたい」と述べた。
(1) ワクチン公費助成の接種年齢についての要望文書【PDF】
(2)子宮頸がん征圧をめざす専門家会議推奨HPVワクチン接種【PDF】
(3)ワクチン助成対象の年齢分布【PDF】
(4)「子宮頸がん予防HPVワクチン接種の公費助成検討状況」についての自治体アンケート結果報告【PDF】
(5)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の普及に関するステートメント(日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本婦人科腫瘍学会)
(6)子宮頸がん予防ワクチンの推奨に向けた提言(日本産婦人科医会)
緊急記者会見には、当会の今野良実行委員長、鈴木光明実行委員、リボンムーブメントのメンバーが参加。