4月より、いくつかの自治体で女子児童へのワクチン無料接種が始まった。子宮頸がんについて社会の関心が高まる中、正しくわかりやすい情報発信が求められている。そこで、子宮頸がんの病態、細胞診による検診の有用性、HPV検査、HPVワクチンについて解説し、検診とワクチンを受けることの重要性をお伝えするため、第51回日本臨床細胞学会総会・春期大会とともに市民公開講座を開催。当会実行委員・鈴木光明、実行委員長・今野 良、委員・岩成 治、委員・シャロン・ハンリーに加え、子宮頸がんを考える市民の会副理事長・細胞検査士の高山須実子さんや、女優で子宮頸がん体験者の仁科亜季子さんが講演し、座長は当会委員・平井康夫が、司会は子宮頸がん啓発コミュニティ・女子大生リボンムーブメントの臼井あかねさん(当会「EUROGIN 2010&2010 WACC Forum 参加・取材ツアー」派遣メンバー)が務めた。
医師、助産師、看護師、細胞検査士など医療関係者、自治体担当者、養護教諭、一般市民などさまざまな職種の参加者約350名で、会場はほぼ満席。大学生や高校生も含め若い年代の参加者が目立った。専門家による丁寧な説明に多くの方がメモを取りながら真剣に聞き入り、学んだ知識を整理する「子宮頸がんクイズ」では、講演内容に絡んだ質問にはほぼ全員が正解し、会場全体が大きく沸いた。
参加者からは「ワクチンだけで予防できないのか」「娘にワクチン接種を考えているが、子宮頸がんについてどう話したらいいのか。家庭で話題にしにくいが・・・」「検診教育のあり方は?」など、ワクチンや検診についてのさまざまな疑問が投げかけられ、講師たちの適確な回答に会場は大きく頷いていた。また、「将来の息子のパートナーには、ワクチンを接種した女性を望む」という意見や、「女子大生リボンムーブメントの熱意に感動した」という声も寄せられた。メディアの取材も多く、講座終了後は講師の周りにたくさんの質問者の輪ができ、活発な意見交換が行われていた。