検診に行こう!-検診の不安解消のお手伝い-

検診の内容

細胞診

子宮頸がん検診(細胞診=パップテスト)は、内診台にあがって行います。膣に膣鏡を挿入し、柄の長いヘラやブラシなどで子宮頸部の表面の細胞をこすりとって、がん細胞がないかどうかを調べます。検査結果がわかるのは、だいたい1~2週間後です。
はじめて内診台に上がるときは、抵抗があるかもしれませんが、パップテストはほんの一瞬で終わる、ほとんど痛みのない簡単な検査です。何より、自分にとってとても大切なことなのです。たったこれだけの簡単な検査で早期発見されれば、もしがんが見つかっても手術で治療できますし、子どもを産むこともできるのです。鼻から息を吸って、口からゆっくり吐くようにすると、下腹部の緊張がとれて、スムーズに検診が受けられます。リラックスして受けましょう。

検査結果の考え方

2009年4月より検査結果の分類システムが変わり、新しく「ベセスダシステム」が導入されました。従来の方法に比べ、細胞の形をより細かく分類し、病変やその後の対応がわかりやすくなっています。
ベセスダシステム(医会分類)
扁平上皮系
略語 従来の
クラス分類
内容 指針
NILM

クラスI
クラスII
異常なし
炎症あり
もし結果がNILMだったら異常なし、定期検診だけで大丈夫
ASC-US クラスII
クラスIIIa
軽度病変の疑い HPV検査または細胞診検査(再検)
ASC-H クラスIIIa
クラスIIIb
高度病変の疑い 精密検査:
コルポスコープ、生検
LSIL クラスIIIa HPV感染
軽度異形成
HSIL クラスIIIa
クラスIIIb
クラスIV
中等度異形成
高度異形成
上皮内がん
SCC クラスV 扁平上皮がん
腺細胞系
AGC

クラスIII 腺異型または腺がんの疑い 精密検査:
コルポスコープ、生検、頸管および内膜細胞診または組織診
AIS クラスIV 上皮内腺がん
Adenocarcinoma クラスV 腺がん
other malig. クラスV その他の悪性腫瘍 精密検査:病変検索
従来の細胞診クラス分類(日母分類)
クラスI  正常
クラスII  異形細胞はあるが良性変化        
クラスIIIa  軽度~中等度異形成を想定
クラスIIIb  高度度異形成を想定
クラスIV 上皮内がんを想定
クラスV  浸潤がんを想定
(日本母性保護産婦人科医会、1998)

HPV検査

HPV検査は、子宮頸がんを起こしやすいハイリスクのHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかどうかをチェックする検査です。細胞診と組み合わせることで、がんになる前の細胞の変化(前がん病変)をほぼ確実に見つけることができるようになります。また、細胞診もHPV検査も異常がない場合は3~5年は子宮頸がんになる可能性はほとんどありませんので、大きな安心につながります。
30歳未満はHPVの感染率が高いものの、通常は本人の免疫力により排除されます。しかしハイリスクのHPVが子宮頸部の細胞に長くとどまった場合(持続感染)、子宮頸がんを発症することがあります。この持続感染は30歳以上に多くみられるため、アメリカでは30歳以上の女性には細胞診とHPV検査の併用検診がすすめられています。日本でも一部の自治体で子宮頸がん検診にHPV検査を導入し、その有用性が確認されつつあります。また、全額自己負担になりますが、人間ドックなどの健診センターでも受診できるようになってきました。